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舞台用語集
2017/07/18

介錯棒(竿)について【1】

PACかわら版

介錯棒(さお)について、

 

劇場やホールでは、ブリッジやサスペンションバトンに照明が吊ってあります。照明器具自体は高所にあることになります。では高所での照明のフォーカス(シュート)の際はどのようにしているでしょうか?そんなに高くなければ脚立などを使うこともあります。ブリッジの場合はブリッジに乗り込むことができるのでブリッジに乗ってフォーカスします。

では、ブリッジでもなく、さらに脚立でも届かない照明の場合はどうしてるでしょうか?

 

1、高所作業台やパーソナルリフトを利用してフォーカスする。

2、介錯棒を利用してフォーカスする。

3、バトンを降ろして調整してよい位置になるまで合わせなおす。

 

通常は、「1、高所作業台」と「2、介錯棒(竿)」がメインでよほどのことがない限り「3、バトンを降ろす」はやりません。

 

今回は「2」の介錯棒(竿)のお話です。

 

 

介錯棒は、最大で8mくらいまで伸ばせて、先端にL字状の金具のついたものです。

この金具の部分を使って照明器具を上下左右に向けたりします。(先端部は写真参照)

介錯棒の先端

実はこの介錯棒、重さに関しては最近はアルミだったり、良いものでしたらカーボンだったりして軽くはなってきています。しかし、それはあくまで短いときの話で、通常使う長さ(8m前後)になってくると話は変わってきます。長い分、重く感じます。なので、持ち上げ方のコツがわからないとなかなか立てられません。新人の頃は、長い介錯棒(竿)を持ち上げるのにも慣れなく、なかなか介錯棒をあげれなくて、悪戦するときもあります。たまにまだバランスを崩すとフラフラすることもあります。

 

ではどうやって持ち上げるか?

そこで利用するのがテコの原理です。小学校?中学校?で習ったアレです。

 

【支点・力点・作用点】

支点、力点、作用点、テコの原理で出てきた言葉です。

(それぞれの言葉をここで説明すると長くなってしまうので省略します。) 

ほとんどは、できるようになると勘でできてしまうのでそう言えばそうだったという感じですが、この3点を利用して介錯棒を持ち上げます。

写真を参照してください。

Sao01.jpgよっ

Sao02.jpg こい

Sao03.jpgしょ

 

持ち方にもよりますが、中心に近い方の手を支点にして、反対側の腕でぐいっと押し下げます(力点)。すると介錯棒が持ち上がります。

力任せに、下の方から持ち上げようとすると、どうしても、大きい力が必要になってきますが、テコの原理を使えば少ない力で立てることができます。 

他には、先端で人に持ってもらって、上げるときに、弾みをつけながら上げることもあります。一旦、まっすぐに持ち上げてしまえば、大きな力は必要ありません。持ち上げるまでが一苦労です。実際は、回数を重ねて、長さに対して、自分に合った上げ方を覚えていかないといけません。

 

まっすぐに持ち上げたあとは、先端の揺れを止めるのに、一旦、介錯棒を自分の身体に抱き寄せながら、揺れを吸収させながら、揺れが収まるのを待ちます。ただ、持ち上げた介錯棒を床につかせる時、場合にもよりますが、まず基本として、床につけるとき、“ガーン!” とやると根本部分がアクリルで出来ていて割れてしまう事があるので、極力、ゆっくりと置きます。下がることに対して、どうしても力で制御が必要にはなります。

所作台(かわら版「所作台」参照)の上でのシュートが必要なときは、あらかじめパンチとかで養生してから、その上に乗って作業というケースもありますし、根本部分にいらないタオルなどで養生しておくこともあります。

 

かつては、本物”の“竹ざお”を使っていたときもありました。竹ざおの方が、先端が細いので灯体のケーブルとかに絡むことも少なく、突くだけなら楽なこともありましたが、

左右に振るのが大変でした。そういうこともあり、上下左右にライトを動かすことのできる金属製の介錯棒が主流になりました。

 

【2】へ続く)→