普段劇場にいらっしゃるお客様からは見えづらい、客席後方などにひっそりと存在している調整室ですが、我々舞台に関わる技術者にとっては大変身近な存在です。
調整室に設置されている音響卓や調光卓を使って、マイクの音を調整したり、ステージに明かりを当てることが出来るんです。
調整室は客席の1階席後方、2階席後方などに並んで設置されている場合や、下手・上手のステージ近く(フロント)にそれぞれ振り分けられている場合もあります。
↑ 下手音響室からみたステージ
音響室や調光室が下手にあると、下手から出入りするMCさんや演者さんの出が見づらかったりしますよね。そういう時には卓に乗り出して見たり、舞台さんからインカムでCUEをもらったりします。
こちらは音響室にあるパッチ盤です。
ステージ下手・上手や客席と、音響室を回線でつなぐ役割を担っています。
これがあることにより、ステージに設置したマイクを、音響室にある音響卓に入力することが出来ます。
そしてこちらが調光室です。
調光卓の上の方にある3段のプリセットで、出したい明かりを作り、手前のクロスフェーダーで明かりを切り替えます。
左側にあるサブマスターに作った明かりを入れ込んだり、シーンを作って本番中シーンを送っていく様な使い方も出来ます。
催事によって最適な使い方を選んだり、担当者によっても細かな設定が異なるようです。
こちらが映写室。
映写室は客席後方のセンターにあり、舞台上のスクリーンが正面に見える位置にあります。
一昔前には35mmの映写機やスライド映写機が幅を利かせていましたが、近年パソコンの普及に伴って、DLPなどのビデオプロジェクターやデジタルシネマにセンターの座を譲っています。(写真左がDLPプロジェクター、右がデジタルシネマ)
パソコンのパワーポイントなどで作るデータのことをスライドと呼びますが、元々は写真のネガに似た透明なフィルムのことをスライドと呼び、スライド映写機を使いそれをスクリーンに投影することで、講演などを行っていました。
さて、ここまで三つの調整室を見て来ました。
裏方である我々の仕事現場を少しばかり覗いて頂けたでしょうか。
このように、音響室には音響さん、調光室には照明さん、そして今回は紹介出来ませんでしたが、舞台袖の操作盤の所には舞台さんが常駐し、日々ホールで行われる催し物をサポートしております。
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