ある舞台における、スタッフの一日に密着!
PACの仕事をご覧いただけます。
普段はあまり人目に触れることのない舞台づくりの裏側に密着。唯一無二の瞬間を作り上げる現場をご紹介します。
ある舞台でのスタッフの1日
コンサート編
[コンサート編 舞台スタッフ]
9:00現場入り、搬入

そろそろ搬入が始まる。
            台車を用意しなきゃ。
            ライブとかだとトラスやイントレ、変形台なんか持込む道具がたくさんあるからね。
            リノリュームを舞台全面に敷くこともある。
            舞台に敷き込むものにはリノのほかにもパンチカーペットとか地耕とか八分のベニヤ(厚ベニ)を舞台一面に敷くこともあるって先輩に聞いたことがあります。
            それから鉄骨や木足を使って傾斜舞台を作ることもあるんです。
[コンサート編 舞台スタッフ]
10:00舞台床の仕込み 吊り物

仕込みはまず床面から始めます。
            物を乗せてから直すことはできないから、最初が肝心。
            皺が寄らないように、ピンと張って固定していきます。
            さて、吊り込みを始めるぞ。
          
            吊り物にもいろいろあって、ドロップとか布に背景を描いたもの。
            布を形状に裁断したカットクロスとか紗幕、ジョーゼットなんでね。
            「京劇」のときは大変だったそうです。
            場面のほとんどがドロップでバトン数が少ない劇場は何枚も共吊りにして幕合いに終わったものから取っていく。
            あとは振りかぶせたり、振り落としたり。
            そうそう、吊り込んだら定位置にして「バミリ」をする。
            このバミリをしていく作業って重要なんだ。
            転換で道具が移動したり、吊り物が昇降するときにね。
          
[コンサート編 舞台スタッフ]
10:30イントレ、バンド台の仕込み

イントレ、バンド台を仕込みます。
            今日はイントレに道具パネルを固定します。 昔なら針金とかロープで固定していましたが、最近は便利なものがあって軽いものなら結束バンドなども使用します。
            バンド台も枠組みは鉄骨です。
            細分化された軽量鉄骨をボトルで固定して組上げます。
            オーケストラ台を組むときの鉄骨の量ときたら半端じゃありません。
          
[コンサート編 舞台スタッフ]
12:00休憩・打合せ

            今日のライブでは転換があるので食事が済んだら打ち合わせをします。
            頭飾り(プリセット)から始まり、各局のどこのフレーズでどのバトンを動かして転換するのか、誰がどのバトンを担当するのか、舞台監督からの指示があるのか、などなど綿密に打ち合わせていきます。
          
[コンサート編 舞台スタッフ]
13:30仕上げ

さあ、細かいところを直せばあとはリハーサルをやって本番を待つだけ。
            早いとこ道具の直しを済ませますか。
            こうやって道具だけを見るとどうってことはないけど、この道具に明かりが入るとガラッと変わる。
            舞台装置と照明、音響が一つになって素晴らしい舞台を作るんです。
            そこでミュージシャンやダンサー、俳優がいろいろなパフォーマンスを繰り広げる。
            面白いよ、舞台!
          
[コンサート編 照明スタッフ]
9:00現場入り

            まずはホールスタッフさんにご挨拶。
            本日一日お世話になります。
            ホールスタッフさんとは段取りを確認していざ搬入!
            トラックはゲート付きだから重い機材も大丈夫。
            精密機器は特に慎重に。搬入条件は会館によって様々。
          
[コンサート編 照明スタッフ]
9:30吊りこみ開始

            搬入が終わったらまずはチーフと打ち合わせ。
            今日一日のタイムスケジュールを確認。
            注意事項もちゃんと聞き逃さないように、メモメモ。
            仕込み図は情報が詰まっているから、これを見れば一目瞭然。
            機材の種類を間違わないように...。
            バトンをホールスタッフさんに下ろしてもらい吊り込み開始。これはムービングライト。音楽に合った動きで、ライブに躍動感を与えるんだ。
            すべてのスポットライトのフォーカスを好みのサイズに合わせていく。
          
[コンサート編 照明スタッフ]
10:00仕込み

            昨日の図面通りに準備してきたカラーフィルターを実際に灯体に入れていく。
            goboと呼ばれる柄の入ったプレートも機材に装着。
            なーるほど。ステージに柄が出た!
            雰囲気作りにはもってこいだね。
          
[コンサート編 照明スタッフ]
11:00バトンアップ

            吊り込みが終わったらバトンをUP!
            「飛ばしまーす!」
            ムービングライトはスポットライトとは別の専用卓でコントロール。
            スポットライトをセッティングできたら、ホールスタッフさんにお願いして照明卓に割り当てていきます。
            ホールスタッフさんバッチお願いしまーす!
            美術にも照明を当てて美しくライトアップ。
            星球もなかなかきれいです。
          
[コンサート編 照明スタッフ]
12:00シュート

            さあバッチができたらシュート開始。
            介錯棒でスポットライトを微調整。チーフの指示通りにスポットライトの向きを棒一本でコントロールするんだ。
            経験が物をいう作業です。
          
シュート完了!
            さあリハーサルに備えて照明スタッフはお昼休憩。
            舞台上は音響さんの調整に空け渡します。
          
[コンサート編 照明スタッフ]
15:30リハーサル

            リハーサルで明かり作り。
            プランナーはお客さんの目線で明かりを作るんだ。
            造った明かりはオペレーターが操作卓に記憶。本番で再生するんだ。
            楽曲のイメージと音のタイミングに合わせて...スモークマシンを使うときれいなビームラインが出るんだ。雰囲気出てきたでしょ?
            リハーサルが終わったら本番に向けてスポットライトの微調整に入ります。
            急がないとお客さんが来ちゃうよ!
          
[コンサート編 音響スタッフ]
9:00現場入り、搬入

            「おはようございます。今日はよろしくお願い致します」
            まずホールの担当スタッフさんに挨拶、確認を取って搬入開始。
            いよいよ長い一日の始まりです(ワクワクドキドキ)。
            これは上手の機材、これは下手の機材、これは客席の機材と機材を振り分けていきます。
            音響だけじゃなく、舞台さんや照明さんの機材も一緒に搬入します。
            このとき慎重、丁寧に、かつスピードも求められます。
            搬入が終わったら、タイムスケジュールの確認やプランナーから場所の指示や変更など仕込み図を見ながら確認をしていきます。
          
[コンサート編 音響スタッフ]
9:30メインスピーカーを設置

            打ち合わせが終わったら、まずはメインスピーカーを設営します。
            かなりの重さなので、みんなで力を合わせて持ち上げます。
            腰を痛めないように、慎重に「せ~の!」「向きはこれで良いですか~」
            続いて、メイン卓、モニター卓を設営。
            コンソールも最近はデジタル卓になったので、とても軽くなり、持ち運びも楽になりました。
            卓周りはオペレーターに任せて、ステージの仕込みをします。
            メイン卓と舞台を繋ぐLANケーブルを引き回して、マイクとスタンドも仕込み図通りに用意して、っと。
          
[コンサート編 音響スタッフ]
10:30パッチ

            大まかなセッティングが終わったら、バッチをします。
            ミキサーに間違えないようにコードをつないでいきます。
            同時に、メインスピーカーのチューニングが始まりました。
            いろいろな測定器を使ってチューニングをしますが、最終的には自分の声で確認をしていきます。
            ステージのモニタースピーカーも準備しよう。
          
[コンサート編 音響スタッフ]
11:30チューニング

            メインスピーカーのチューニングの次は、モニターのチューニングで主に、自分の声を使って音を整えていきます。
            「チェック、ワンツー」
          
            チューニングが済んだら、インプットの回線チェック。
            間違えないように、事前にマルチのボックスに名前を書き込んでおきます。
            回線が多いと、この回線チェックが大変なんだ!
            「ドラムのトップ、L回線です。いかがですか」
            モニタースピーカーの位置を微妙に修正しています。
            ここが、モニターオペレーターとしての大事なところなんです。
            経験がものをいいます(今回は先輩がやってくれています)。
          
[コンサート編 音響スタッフ]
13:30マイクアレンジ

            食事休憩も済んで、午後の作業。
            楽器がセットされ始めたので仕込み図を参考に、マイクアレンジしていきます。
            サウンドチェックに備えて、マイクをセッティングします。
            モニタースピーカーの大まかな音量やバランスを決めていきます。
            「チェック、ワンツー、ワンツー...ワンツー」
            なかなか難しい~なぁ~。
          
[コンサート編 音響スタッフ]
14:30サウンドチェック

            いよいよ、バンドのメンバーさんとサウンドチェック。
            初めにきちんと挨拶をして、楽器のセットの確認、そして単音チェック。
            舞台監督さんから、「リズム系からでよいですか?」と声がかかりました。
            「はーい、ドラムさんからお願いしま~す」
            続いて、ベースさん、ピアノさん、最後にギターさん。
            モニターの問題がないかどうか、「一度バンドさんだけで1曲お願いします」
            バンドさんに問題がなければ、ヴォーカルをのせて最終チェックします。
            舞台監督さんから「よければ、ヴォーカルさんに入ってもらいます」の声。
            「よろしくお願いします!」(緊張するなぁ~)
          
[コンサート編 音響スタッフ]
15:30リハーサル

            いよいよ、ドレスリハーサルが始まりました。
            これが上手くいけば問題なし。
            客席の音は、メインミキサーが調整しています。
            舞台上はモニターを調整します。
            実際に音を聞いて、バンドさんやヴォーカルモニターを調整していきます。
            バンドサインなどでバンドさんの要望をモニターミキサーに伝えたりします。
            「ヴォーカルにピアノをもっとアップ!」
            え~っと、これでどうかな?
          
            無事にドレスリハーサルも終わり、これからが本番!
            最終調整をして、お客さんを待ちます(キター!)。
            そして、いよいよ幕が上がります。
          
[コンサート編]
18:00本番

            さあ、いよいよ本番。
舞台監督の合図で客席の明かりが落ちます。