
かわら版をご覧の皆さま、こんにちは!
IT委員の高橋です。
先日仕込をしていて、このような光景を目にしました。
先輩「これ違ってるよ!わからなかったら聞いてよ!」
新人(わかっていると思って作業したのだけれど...)
新人さんとしては以前教わった仕事と同じだと思い教わった通りに作業した。
先輩としては以前とは状況が違うので状況に合わせた作業を期待した。
あるあるの光景ではないですか?
この「わからなかったら聞いて」という言葉、なかなかにやっかいな言葉です。
若手が業務を行っていく中で出てきた疑問点、「わからないこと」を先輩に質問する。これは何の問題もありません。
ところが、疑問を持たずに作業をしていたのに、先輩の目から見るとてんで違うことをしている。「わからなかったら確認してから作業しよう」などと言われる。これは自分が「わかっていない」ということを認識出来ていない状態です。
先輩にいくら「わからなかったら聞いてよ!」と言われても、自分がわかっていないことがわからなかったのです。この状態を[わからないことがわからない症候群]と私が勝手に名前を付けました。
自分が何がわからないのかわからないので、都度確認するしかないのかと確認すれば、
「自分で考えて」もしくは「前に説明してるでしょ」
自分で考えていいのか?と自分で判断すれば、
「違う。勝手に判断するな」
挙句には「もっと臨機応変に」
ここまで来ると頭の中は大混乱です。
かく言う私も新人の頃はとても要領のいいタイプではなく、「思い込みで動くな」と「臨機応変に」の狭間で苦しんだものでした。
では、[わからないことがわからない症候群]から脱却するにはどうしたら良いのでしょう。
私の経験から言えることは、数をたくさんこなす。色んな場所でこなす。色んな先輩と一緒に仕事をする。そうしている内に自分には何がわかって何がわからないのか、はっきりとしてくるのではないでしょうか。つまりは場数です。
紐の結び方一つとっても様々な結び方があり、状況に応じて最適解が変わります。
ケーブルの引き回し方だって一つではありません。
催事の打ち合わせを行い仕込図を作り、機材を仕込んで調整を行い本番のオペレートをする。その全てに経験や知識の引き出しが必要です。
時間と労力をかけて技術を自分のものにする。そうすることによってはじめてお客様の「こうしたい」というご要望に応えることが出来るようになるのでしょう。
㈱パシフィックアートセンターは、劇場、ホールの舞台設備、照明、音響、映像まで舞台技術をトータルサポートする会社です