カッタースポットの構造を見ていきましょう。写真はソースフォーになります。
まずは
●光源部
横から見て、楕円形のミラーがあります。その中央に、光源となる電球が入る穴があります。
反射された光が効率よく前方に行くような形になっています。最近はここをLEDに置き換えることができるモジュールも出てきてます。
(LEDモジュールに関しまして、実物が手元にないので申し訳ございませんが、「ソースフォー + LED」などで検索してみてください。)
●カッター部
カッター(Cutter)そのものズバリ、カッターです。ITOは別でカッターをつけなければいけませんでしたが、ほぼ大体のカッタースポットに標準であるものです。
カッターと言っても切るものは光ですので、光を透過しない金属で出来てます。通常、上下左右の4枚のプレートで構成されています。
上記写真の金属プレートがカッターに当たります。通常、「カッター」や形状から「ハネ(羽根)」という言い方が多いです。たまに「ブレード(blade)」という言い方もあります。
また、これらは「入れる」「切る」「開ける」という表現をします。
例1)上側のハネ入れて―!
例2)下手側をもう少し切ってー!
例3)下側のカッターあけてー!
こんな感じです。
カッター部には実はスロットがあります。
ソースフォーは2ヵ所、ほかの機材にも少なくとも1か所のスロットがあります。
ここは何に使うと思いますか?
ココこそ、【その1】で最初に書いた「絵」や「模様」を出すところなのです。
ここに、金属、またはガラスで作られた、絵や模様が書かれたものを専用のホルダーにいれ、このスロットに入れるのです。
その絵や模様は、既成品と呼ばれるもの~自作のアルミ版加工モノ(規格内で作られたもの)など入れることができます。
また、そのような絵や模様のことを、「ネタ」、「Gobo(ゴボ)」と呼んでます。
●レンズ部
何枚かのレンズから構成されています。レンズの枚数、レンズの厚み、レンズ間の距離などは、そのスポットを何度の角度にするかで決まってきます。
(写真はソースフォー36°のレンズです。)
また、レンズを前後させることでぼかすことができます。光源から遠くするとアウトフォーカス(外ボケ)になり、青くボケます、「青ボケ」といいます。
逆に光源側にレンズを移動させるとインフォーカス(内ボケ)になり、赤くボケます、「赤ボケ」といいます。
※写真ではわかりにくいと思います。(実際、機材が手元にある方はやってみてください。)
(赤ボケです。)
(青ボケです。)
先程、「レンズの枚数、レンズの厚み、レンズ間の距離などは、そのスポットを何度の角度にするか」...おや?
と思われた方がいらっしゃると思います。
実はこれらのスポットは、大きさを変えることができないのです。(※一部、もしくはある手段を除く(後述します))
なので、目的に合わせた角度を持つスポットを選択しなくてはなりません。
ソーズフォーを例に出すと、19°、26°、36°、50°というようにレンズの角度が分かれています。
またレンズの枚数は角度によって決まると書きましたが、枚数が増えるということは、実は光量が落ちるということです。
過去の製品では、1Kwの電球を使っているにも関わらず、あまり明るさが出ないということがありました。
現在は、そこまで明るさが落ちるということがありません。ミラーの反射効率などかなり良くなってます。
※プロファイルスポットは、外せるところは外しても問題ありませんが、どう考えても「分解」行為になると光の出方が変わってきますので、分解しなければならないような修理は、各メーカーで行ってもらいましょう。
【その3】に続く