舞台照明の機材(4) カッタースポット【その2】

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カッタースポットの構造を見ていきましょう。

543682_n.jpg

 

 

 

カッタースポットの構造を見ていきましょう。写真はソースフォーになります。

SF_3Part.jpg

まずは

●光源部

横から見て、楕円形のミラーがあります。その中央に、光源となる電球が入る穴があります。

反射された光が効率よく前方に行くような形になっています。最近はここをLEDに置き換えることができるモジュールも出てきてます。

(LEDモジュールに関しまして、実物が手元にないので申し訳ございませんが、「ソースフォー + LED」などで検索してみてください。)

 

 

SF_LampHouse02.jpg

SF_LampHouse03.jpg

 

●カッター部

カッター(Cutter)そのものズバリ、カッターです。ITOは別でカッターをつけなければいけませんでしたが、ほぼ大体のカッタースポットに標準であるものです。

カッターと言っても切るものは光ですので、光を透過しない金属で出来てます。通常、上下左右の4枚のプレートで構成されています。

上記写真の金属プレートがカッターに当たります。通常、「カッター」や形状から「ハネ(羽根)」という言い方が多いです。たまに「ブレード(blade)」という言い方もあります。

また、これらは「入れる」「切る」「開ける」という表現をします。

SF_Cutter01.jpg

 

例1)上側のハネ入れて―!

例2)下手側をもう少し切ってー!

例3)下側のカッターあけてー!

 

こんな感じです。

 

 

カッター部には実はスロットがあります。

SF_Slot.jpg

ソースフォーは2ヵ所、ほかの機材にも少なくとも1か所のスロットがあります。

ここは何に使うと思いますか?

 

ココこそ、【その1】で最初に書いた「絵」や「模様」を出すところなのです。

ここに、金属、またはガラスで作られた、絵や模様が書かれたものを専用のホルダーにいれ、このスロットに入れるのです。

その絵や模様は、既成品と呼ばれるもの~自作のアルミ版加工モノ(規格内で作られたもの)など入れることができます。

また、そのような絵や模様のことを、「ネタ」、「Gobo(ゴボ)」と呼んでます。

Gobo-4.jpg

SF_GoboHolder03.jpg

SF_HolderSet01.jpg

SF_HolderSet02.jpg

 

●レンズ部

何枚かのレンズから構成されています。レンズの枚数、レンズの厚み、レンズ間の距離などは、そのスポットを何度の角度にするかで決まってきます。

(写真はソースフォー36°のレンズです。)

 

SF_Lens.jpg

 

また、レンズを前後させることでぼかすことができます。光源から遠くするとアウトフォーカス(外ボケ)になり、青くボケます、「青ボケ」といいます。

逆に光源側にレンズを移動させるとインフォーカス(内ボケ)になり、赤くボケます、「赤ボケ」といいます。

※写真ではわかりにくいと思います。(実際、機材が手元にある方はやってみてください。)

DSC_0080.jpg

(赤ボケです。)

DSC_0081.jpg

(青ボケです。)

 

 

 

先程、「レンズの枚数、レンズの厚み、レンズ間の距離などは、そのスポットを何度の角度にするか」...おや?

と思われた方がいらっしゃると思います。

実はこれらのスポットは、大きさを変えることができないのです。(※一部、もしくはある手段を除く(後述します))

なので、目的に合わせた角度を持つスポットを選択しなくてはなりません。

ソーズフォーを例に出すと、19°、26°、36°、50°というようにレンズの角度が分かれています。

 

またレンズの枚数は角度によって決まると書きましたが、枚数が増えるということは、実は光量が落ちるということです。

過去の製品では、1Kwの電球を使っているにも関わらず、あまり明るさが出ないということがありました。

現在は、そこまで明るさが落ちるということがありません。ミラーの反射効率などかなり良くなってます。

 

※プロファイルスポットは、外せるところは外しても問題ありませんが、どう考えても「分解」行為になると光の出方が変わってきますので、分解しなければならないような修理は、各メーカーで行ってもらいましょう。

 

【その3】に続く

 

 

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