3年目の軌跡~自分が先輩になって気付いたこと~

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入社約3年目の若手社員が、 日頃の思いや、仕事を通じて学んだこと、びっくりしたこと、発見したことなどを活き活きと書いています。 入社してから、舞台技術を取得するまでには、長い長い道のりがあります。 苦心し、日々挑戦し、ほんのちょっと成長した自分を発見する。 そんな彼らの軌跡、一人ひとりのストーリーです。

私は都内の大劇場において、主にフォロースポットオペレーターとして働いています。ニュースなどで話題になるような様々な作品に携わらせていただいています。
本番の「見た目」に大きく関わる仕事で、役者さんの心情や表情の印象をお客様に残すことができるポジションです。
逆を言えば、このフォロースポットが上手く出来ないと、役者さんが稽古で積み上げたメッセージやストーリーが伝わらない、責任重大な仕事です。
元々、子供の頃から芝居が好きで照明スタッフを目指していたので、役者さんの芝居に合わせてフォローをすることに楽しさとやりがいを日々感じています。
難しいことも、予期できない大変なこともありますが、現在この仕事に就けていることがすごくラッキーなことだと思っています。

3年間この仕事を続けてきて様々な壁にぶつかりました。一番の壁は「先輩になる」ということだと思います。
当たり前ですが、後輩のミスは私が謝らないといけません。
こうやって欲しい、こんなイメージでやってほしいことが伝わらないなど、自分の思った通りに仕事が進められないもどかしさを感じました。
他の先輩方は普段からこのようなことを感じて仕事に向き合っているのだと気づいた時は、先輩たちに、より強い尊敬の気持ちが生まれました。時々起こる嬉しい出来事に救われたこともありました。

私の勤務する劇場からスタートして、地方に巡業する公演がありました。その巡業公演のフォロースポットのチーフが来たときのことです。
同じ公演でも巡業では、かなりキューが多くなってしまい、チーフは巡業が始まる前から不安そうでした。私はその方への負担を減らすことが大切だと考えて、「自分のキューは頭に叩き込んで、本番中キューは何もいらないです」と伝えしました。普段からフォロースポット中心の業務なので、フォロースポットに関しては誰にも負けないクオリティーを提供しようという気持ちで臨みました。
「自分の判断であそこまでできるオペレーターは中々いないと思う。ありがとうございました」、千穐楽にはチーフからお礼の言葉をいただきました。この仕事を毎日コツコツと続けてきて良かったなと思える瞬間でした。

もう1つ嬉しかった経験は、ニューヨークでのアニメコンサートでフォロースポットチーフの仕事をさせていただいたことです。
元々、英語を使って仕事ができたらいいなと思っていたので、1つ夢が叶いました。
日本を出発する前はかなり不安だったのですが、現地のチーフ、オペレーター達はとても良い方々で、しっかりとコミュニケーションをとりながら本番ができたので無事に終えることができました。
チャンスをくださった上司と、現地で力を貸してくださったスタッフの皆さんに感謝しています。

照明スタッフとしてまだまだ微々たる経験値しかありませんが、大事なことは過去に学んだことや失敗したことを1つでも2つでも次に生かそうとする癖をつけていくことだと思います。それをただひたすら繰り返すと、稀に成功したり、周りからも評価してもらえたりします。また、置かれた状況、環境でいかにうまくやって行けるかを考えて、適応力を上げていくことがこれからどんな仕事をする上でも大切なことなのかなと思います。

これからも日々勉強だと思って力をつけていきたいと思います。

 


 

㈱パシフィックアートセンターは、劇場、ホールの舞台設備、照明、音響、映像まで舞台技術をトータルサポートする会社です