マイクを手元でON/OFFするための装置として「スイッチ」と「カフ」があります。
スイッチは分かりやすいですね。
カラオケボックスに行くと、どのマイクにもスイッチが付いています。
<SHURE SM58s>
このマイク(SHURE SM58s)の場合は、スイッチを上下にスライドすることでON/OFFを切り替えることができます。
カフとは、こんなもの。
語源は英語のcough(=咳)で、
咳をしたい時などに自分の声が拡声されないよう、手元でON/OFF操作する、という由来です。
フェーダーボックスとも呼びます。
ホールでは舞台袖に用意するカゲマイクでよく使用されます。
<影マイク>
スイッチの場合、ONにする時「プツッ」と小さなノイズが入ってしまうことがあるのですが、カフの場合はこれがほとんどありません。
スイッチもカフも、音量や音質は音響卓で調整しますが、ON/OFFは手元で操作ができるのが利点です。
音響スタッフの日常会話として、マイクを使用する方に
「マイクにスイッチがありますので、ONにしてから話してください」
「カフを一番上まで上げてから話してください」といったご説明をしています。
ここまで書き連ねましたが、逆に言えばスイッチが付いていないマイクも存在し、音響オペレーターが居る催事では全てのマイクを音響卓で制御しています。
例えば学校の式典で、校長先生挨拶の場面。
スイッチやカフの付いたマイクを用意したとします。
この場合、校長先生がONにするのを忘れてしまうと一言目の声が拡声されない可能性があります。
スイッチの無いマイクを用意し、演者の代わりにオペレーターがマイクをONにすれば、
演者はマイクのON/OFFを気にすることなくそのまま話せば音声が出ます。
※オペレーターが操作しているので、自動でONになる訳ではありません!
他には、皆さんがライブに行ったとして、ドラムの周りに立っているマイク全てにスイッチが付いていたら......
ドラマーは全てのマイクをONにしてから演奏を始める なんてことになってしまいますが、そういった光景は見たことないでしょう。
スイッチやカフだけではなく、使用する機材は催事の内容や時と場合によって使い分けてプランニングしているのです。
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