緞帳

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緞帳は、プロセニアムアーチのある、いわゆる多目的ホールでは、ほとんどのホールで設置されています。

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写真【森のホール21 小ホール 第一緞帳】

 

緞帳は、プロセニアムアーチのある、いわゆる多目的ホールでは、ほとんどのホールで設置されています。

我々の業界では、オペラカーテンなどと区別するため、板どんというような言い方をすることもあります。

板どんが2枚ある時は、1どん、2どん、などという言い方もします。

第一緞帳、第二緞帳のことですね。

緞帳の表

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写真【森のホール21 小ホール 第二緞帳】

催事の中で緞帳を使用する場面としては、主に開場中、休憩中、終演後が多いでしょう。

緞帳が開いて開演。緞帳が下りて終演、などの流れですね。

その他には転換中、なども考えられます。

緞帳が下りてどん中で転換。どん前では、MCさんが繋いだり、別のアトラクションを行ってお客さんを飽きさせないように工夫されたりします。

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写真【舞台袖から見たどん前】

その日執り行われる催事によっては緞帳を使用しないこともあります。

コンサートなどでは、会場の緞帳を目にすることはあまりなく、式典や発表会、文化祭などのイベントで使われることが多いように思います。

緞帳の裏

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緞帳の裏面には必ずといって良い程、「火の用心」と書いてあります。

これはどのような理由からなのでしょうか。

 

舞台上には、袖幕やホリゾント幕など、多くの幕類が吊られています。

現在では、舞台上で使用する幕類は防炎処理がされていますが、昭和36年に劇場で使用する幕類の防炎化、また、裸火の禁止が義務づけられる以前には、劇場火災が実際に起きてしまった過去があります。

スポットライトなども火元になってしまう可能性があります。

舞台上で使用する演出用の照明機材は、家庭用の照明に比べかなりワット数が高いですから、幕などに触れないよう、細心の注意が必要となります。

このような火災のリスクだけではなく、舞台上には、迫(せり)や吊物などの機構、仮設電源盤、演出によっては特効など、危険を伴うものが数多くありますから、日々安全に留意して催事を執り行いましょう、といった意味合いがあるのではないでしょうか。

2017年現在、舞台業界にも徐々に普及しつつあるLED照明では、電球と比べると発生させる熱がかなり少ないですから、そういった意味では、より安全に演出を行えるようになることでしょう。

まとめ

今回は、ホールで行われる催事には欠かせない、緞帳を取り上げました。

普段、客席からは緞帳の表面しか見る事が出来ないと思います。

この記事では、緞帳の裏面(舞台裏)もご覧になって頂きました。

我々は舞台人として常日頃から安全を第一に考えた上で演出を行い、お客様に観劇を楽しんで頂いております。

 

参考資料:防炎の知識と実際(消防庁)


 

㈱パシフィックアートセンターは、劇場、ホールの舞台設備、照明、音響、映像まで舞台技術をトータルサポートする会社です