オーケストラピット

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舞台用語集【オーケストラピット】についてご紹介

オーケストラピット(オケピ)は普段客席として使用しているスペースの舞台側の座席を外して周りの客席面よりも一段低くした場所の事でオペラやミュージカル、バレエ等の催事の際にオーケストラが演奏を行う場所です。 楽団の編成や規模にもよりますが実際にオーケストラピットで演奏をする際は楽器や譜面台、椅子などがありそこに演奏者も入るとかなり窮屈に感じるかもしれません。 また催事によっては座席を外して迫り上げて舞台面を拡張して前舞台として使用することもあります。 オーケストラピット自体が迫りになっている(なっていることが多い)のでオケ迫りと呼びます。

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写真は客席とオケピ迫りの境目の部分です。 隙間があるので物が挟まっていないか目視で確認してから昇降します。 ホールによって異なりますがこちらのホールでは舞台面側の椅子3列分がオケ迫の範囲になります。 この部分を収納してスペースを作ります。

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これは客席を奈落に収納している様子です。 客席に車輪がついていてワゴン状になっているのでストッパーを外して収納位置まで移動しています。 こちらのホールでは手動ですが、電動で客席ワゴンを動かすホールも有ります。

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収納が終わると広めのスペースが出来るのでオーケストラピットへの転落防止の柵を設置します。 このホールの柵はかなり頑丈に作られているのでかなり重めです。 2人がかりで持ち上げて設置します。

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柵の設置が終わると演奏面まで迫りを下げていきます。 これでオーケストラピットとして使用できる状態になりました。 右の写真は演奏面と客席面の高低差が分かりやすいように柵を外してあります。 ホールによって異なりますがこのホールでは客席と1m程の高低差があります。

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ここがオーケストラピットの出入り口になります。 ホールによっては扉だったりしますが、こちらのホールでは扉は無くチェーンのみです。

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完成したオーケストラピットは前から見るとこのようになります。

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あまり見る機会がありませんがオーケストラピットから客席を見るとこのように見えます。

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前舞台として使用する場合は舞台面とレベルを合わせます。 オーケストラピット(前舞台)は舞台の間口(横幅)程の広さがあり大きな機構なので設営は大掛かりな作業になるので安全に気を遣います。 扉を封鎖したり客席にパイロンや虎ロープを設置し安全確認の為監視者を付けて作業を行います。 劇場、ホールに行った際に舞台面の前の方が広かったり舞台前に窪みがあればオーケストラピットを使っているかもしれないので注目してみると面白いかもしれません。

 


 

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