パシフィックアートセンターでは現在、東京を中心に首都圏の劇場・ホール約50施設において業務委託を受注させていただいています。 各劇場の考え方や運営体制・公演ジャンルに適した技術サービスと管理体制を提供しております。
劇場・多目的ホール・会館・音楽ホール・コンベンション・カンファレンスなど、様々な様式のホールを受注しておりますが、今回はその中でも、東京・千葉・埼玉各地において長きに渡り地域住民の方々に愛されてきた多目的ホールに焦点をあて、催事の舞台進行にかかわる舞台・照明・音響の技術サービスに関して紹介して行きたいと思います。
ホール管理業務においては、一般的には発表会や講演会などの催事が行われる際、ホール利用者と事前に打ち合わせを行い、仕込み・リハーサルを経て、本番へのぞみます。
それでは、各セクションごとに業務内容を見て行きましょう。
舞台セクション
舞台セクションでは、例えば講演会などでは、常設スクリーンや司会台・演台の設置、袖幕や文字幕などの位置決め、看板吊込みの際の機構操作などの業務があります。
吹奏楽の定期演奏会や合唱コンクールなどでは、反響板の設置、山台(平台や箱馬などを使って組み立てるひな壇のこと)・ピアノなどの準備。
バレエの発表会では、床面にリノリウムと呼ばれるマットを敷いたり、背景幕の上げ下げや舞台セットの出し引きなどの舞台転換を行うこともあります。
進行管理業務としては、リハーサル等がスムーズに行われていることを確認し、本番時には主催者に確認を取り1ベル・本ベルを鳴らす、緞帳の上げ下げ、照明・音響へのCUE出し、出演者の出入りのケアなどを行います。
照明セクション
発表会や講演会などでは、利用者との打ち合わせを元に仕込み図を作り、仕込み、リハーサル、本番のオペレートを行います。
仕込みでは、SUSの吊り込み、ステージの仕込み等を行い、その後フォーカシング作業となります。
フォーカシングとは、照明の当てる位置を決める作業です。
高所での作業は、高所作業台に乗っての作業になります。高所作業台がない所では、介錯棒という棒を使って作業します。
本番のオペレートでは、調光卓を操作し場面の照明を表現します。
フォロースポットがある際は、舞台上の人物の動きに合わせてピンスポットを操作します。
音響セクション
仕込み時電源を立ち上げる際には、スピーカーのチェックを行います。この時、ホール内だけではなく、ロビーや楽屋などもチェックします。
必要なマイクなどの機材をセッティングし、回線チェック、調整を行います。
ハウリング(スピーカーとマイクの間で音が回ってしまうこと)が起こらないよう、イコライザーなどを使い調整し、音のボリュームを確認します。
台本を読み込んだり、タタキ(CDなど素材に入っている音ネタをきっかけで再生すること)のタイミングなどを確認し、リハーサルにのぞみます。
マイク転換がある際は、ステージワークも必要です。
一口に発表会と言いましても、ピアノ、バレエ、日本舞踊、幼稚園のお遊戯会、三味線や大正琴などの邦楽の演奏会、学生などの吹奏楽の演奏会など、実にさまざまな催し物があります。
それぞれの催し物に適したオペレートを行うために、豊富な知識が必要となります。
まとめ
パシフィックアートセンターは略して「PAC(パック)」と呼ばれています。
理由の一つは社名の頭文字を取ってですが、もう一つの理由は舞台・照明・音響・映像などをパッケージ(PAC)として提供できる会社だからです。
私たちは、舞台技術サービス提供を生業として何十年にもわたり劇場・ホール施設とその利用者と共に歴史を刻んできました。
地域住民の皆様や、仕事を通じた出会い・絆を大切にし、多くの人々と共に感動をつくることで、豊かな文化の創造に貢献して行きたい。それがパシフィックアートセンターの想いです。
次の記事:ホール管理業務における外部対応
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