キャリアストーリーVol.05
歌舞伎の照明家になりたいと思う自分と出合えた

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PACでは年齢・性別・学歴・職歴に縛られず様々な人が働いています。
1人ひとりのバックグラウンドは違っても、想いはひとつ。「舞台を通じて、お客様を笑顔にしたい」
その想いを胸に、PAC社員が描くキャリアストーリーをご紹介します。

■プロフィール
中村 圭佑さん
2009年入社 照明担当
専門学校卒

■職歴
歌舞伎座
三郷機材センター

※2020年1月当時の情報です。

初めて観た歌舞伎

写真集「歌舞伎座」に写る作業風景

入社10年目の中村さんは"歌舞伎の照明さん"として社外からも認められている存在だ。今でこそ歌舞伎のことを聞けばスラスラと話せるが、入社前は観劇しながら眠ってしまった事もあった。

「初めて歌舞伎を観たのは学生時代です。覚えているのは出演者が蕎麦を食べているシーンです。イヤホンガイドからは『本物の蕎麦を使っています』と聞こえてきました。その時は、まさか自分が歌舞伎の照明を仕事にするとは想像もつかなかったです。」

舞台を観続け、練習して成長した

社内で研修の様子。

入社後に歌舞伎座の照明スタッフとして配属。2010年4月までの1年間、濃密な時間を過ごした。ベテランの照明さんに囲まれイチから学ぶ日々。歌舞伎の興行は、月末、月初に仕込みをし、稽古があり、初日が開いてからは1ヶ月間毎日が本番という流れで千穐楽を迎える。入社したばかりの中村さんは、屋台ケーブルなどのステージを担当。転換のない演目は本番中は時間ができるので、舞台をなるべく正面から観て勉強を始めたという。

「1年間この環境と決まっていたので、歌舞伎を勉強しようと考えました。話の内容も分からないまま舞台を観続けました」

空き時間はフロント(FR)から舞台を観て勉強を続けた。最初は観て気付いたことをメモに残し、次は筋書きを読んでから観る。その次はイヤホンガイドを聴きながら観る。そうやって過ごしながら、半年後にはピンスポットを担当。もちろん、朝のチェック時間より早く出社し、照明機材に触れるなどを繰り返した結果である。

素晴らしい出合いが照明家への道を拓く

歌舞伎座から三郷機材センターに配属になった中村さんは、ミュージカルやコンサート、芝居、歌舞伎など、様々な舞台の照明スタッフとして活躍。そんな中、ある劇場で、歌舞伎座の著名な照明プランナーである池田智哉(故人)さんと再会。以来、歌舞伎の仕事で池田さんから声がかかるようになったそうだ。そんな関係が2018年11月まで続いた。

「2019年から智哉さんの助手として劇場を共に回ろうという予定だったのですが、顔合わせの1週間前に亡くなりました。ものすごく悲しくて、悔しかったです。今は智哉さんの遺志を継いで、歌舞伎を守りたい、広めたいと思いながら仕事をしています」

様々な仕事があったから自分のやりたいことを見つけられた

この10年、中村さんは歌舞伎を中心にさまざまな現場を経験してきた。その状況を「経験させていただいた」と丁寧に語る。学生時代は照明志望だったが「歌もの」なのか「芝居」なのか選ぶ事ができず、幅広い仕事を経験できそうだと思いPACを選んだ。

「入社1年目に歌舞伎座に配属されていなかったら、きっとこんなに歌舞伎のことを思ったり、考えたりすることはなかったと思います。歌舞伎との出合いがあり、智哉さんとの出合いがあり......歌舞伎の照明家になるため、今後も成長していきたいと思う自分と出合うことができました。」

PACのことをもっと知るために